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「そうか、そうだろうな」
「だけど、テレビやライブだけじゃなくて。ダンス教室での指導とか、ウエアやシューズなんかのデザインしたりして。一生、ダンスに関わって生きてくつもり」
生涯ダンサーなんだな。
ルミちゃんは、生涯キャバ嬢だって笑ってた。
そうして、同じ仕事に生涯関わっていられる人は、ある意味で幸せなのかもしれない。そんな夢や仕事に巡り会える幸せ。
「失礼いたします。ユカさん、お願いします」
「じゃあ、直くん。また、後でね」
それで、ユカちゃんが席から去る。それは、ちひろが席に来るって合図だ。
あの頃と同じ高揚感で、胸の高まりが抑えきれなくなってくる。お気に入りの女の子と、出会えた男にしか分からない感情かもしれない。
お気に入りの娘が、オレの妻になったのだが。
すると、ボーイさんがこっちに向かって来るのが目に入る。その背中に、見え隠れするちひろの姿。
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