夜蝶に煌めく純愛たち 後編

夜空に煌めく夜蝶たち

　
　本当に、大袈裟な話しだ。

　社員の人たちが、そんな事を言い出すものだから。ヘルプの娘は、目を丸くしてオレを見つめている。宮ノ内さんの、悪いイタズラだな。

　そして、気が付くとフロアには客はオレ一人で、ボーイさんはテーブルを通路側に移動し。巨大な長机を、フロアの中央に作り出す。

　そして、そこに料理や酒が並べられていく。

　まるで、最後の晩餐だな。

　勿論。絵画、最後の晩餐は何十人もの宴席では無いが、何となくそう思ってしまった。

「何が、始まるんです？」

「このイベントの、打ち上げです。神田さまには営業時間中に、ちひろさんをお着け出来なかったもので。これからお楽しみ頂くようにと、社長から申し遣っております」

「はぁ、そうですか……」

　まったく、何が始まるって言うんだよ。

　そう言えば、顔見知りの娘たちの姿が見えない事に気付く。それは、ちひろも含めて。