夜空に煌めく夜蝶たち

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   そう呟いた時、ドレスを着た女の子が三人こっちに歩いてくる。  チエちゃん。  コトミちゃん。  ムツミちゃん。  ルミちゃんの派閥の娘たちだった筈だけど、オレとは直接的な関わりは無い。  何で、この娘たちが? 「失礼します。今日は、私たちが神田さんのヘルプしますね」 「ヘルプ?」  ここに、一人にされるのも困ったものだが。これじゃ余計に、女の子たちから注目を集めそうだ。  しかし、何だってヘルプだ? 「神田さんは、ちひろさんの旦那さんなんだって」 「えっ、ちひろさんの? じゃあ、あの伝説のお客さん?」 「あっ、それっ、私も聞いた事がある」 「ちょっと、待った。その、伝説のお客さんって?」  グループ内の店で、ちひろとルミちゃんが「伝説のキャバ嬢」と、呼ばれているのは知っていた。だが、「伝説のお客さん」ってのは、初めて聞いたフレーズだ。  それについて、チエちゃんが語る。
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