コハクとチトセ、そしてオレの2月14日

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コハクとチトセ、そしてオレの2月14日

それは1月下旬のこと。 俺は、コハクとチトセさんと一緒に買い物に来ていた。 今まで2人には俺の服を貸していたけど、寒さがより厳しくなってきてそれぞれにちょうどいい防寒着を用意しようと思い立ったからだ。 俺の名前は山田聖(ヤマダ アキラ)という。 古着や個性的なファッションを扱うショップ店員だ。 そして、コハクとチトセさんだけど・・・・・・。 この2人は、普段はヒトの姿をしていない。 コハクはミルクティー色のウサギのような姿で、チトセさんはオオサンショウウオのような姿をしている。 どちらも俺のことを知っていて、ある日突然俺の元へやってきた。 と、ここまで説明すると何とも妙な話なのだが。 俺は意外とすんなり受け入れた、というか受け入れられた。 なぜなら、俺は昔から動物たちの声が聞こえることがあったからだ。 いつもということではなかったけれど、時々そういうことがあった。 物心ついた時からそういう環境だったから、不思議と2人の存在を受け入れてしまっている。 どうして俺の所へ来たのか、はっきりとは分かっていない。 2人からは『時が来たらきちんと説明するので、もう少し待ってほしい』と言われている。 その一言で全てを納得できているわけではないけど、彼らは実にいい奴らだし、コハクは掃除なんかを引き受けてくれるし、チトセさんは洗濯や庭の手入れをかってでてくれているので、トラブルもなく実に平和に共同生活が続いている。
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