コハクとチトセ、そしてオレの２月１４日 ～不思議はいつもそこにいた番外編～

コハクとチトセ、そしてオレの２月１４日

洋菓子店の中は可愛らしくデコレーションされていて、自分たちが場違いな気がした。

入口付近にはチョコレートだけではなく、焼き菓子なども置かれている。
製菓用のチョコレートやデコレーションに使うものなんかも見える。

そして、正面には色鮮やかなケーキが並ぶショーケースがあった。

「僕、フルーツが乗ってるやつがいいなぁー」
バレンタインの話題をしていたから、てっきりチョコレートを買うのかと思いきや、コハクはケーキに目を奪われているようだった。

「これはきれいなグリーンですな」
「はい、抹茶を使った商品でして、春の訪れをイメージしています」
チトセさんに至っては店員さんと会話もしている。

『なんかこの２人って、ごく自然にこの世界に溶け込めるんだな』って、改めて思った。

結局、それぞれ食べたいケーキを買って、帰宅した。
俺が会計している間に、コハクは店内のディスプレイやポスターをかなり熱心に見ていた。