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「うわっ、もう帰ってきちゃったよ!」
「おっ!大丈夫、後はここにこれを飾れば・・・・・・」
いつもなら「おかえりー」と言ってくれる2人の声が聞こえない。
不思議に思いつつ、そして俺は嫌な予感もしつつ歩みを進めた。
「お、おかえり」
「おかえりなさい」
普段それほど動揺する姿を見せない2人が、どう見てもちょっと慌てているようだった。
「・・・・・・ただいま・・・・・・何?」
甘い香りに2人の態度。
妙なことははっきりしていたし、なんとなく想像もついているような気がしたけど、とりあえず尋ねてみた。
「え?何?」
こっちが尋ねてるのにコハクはなぜかごまかそうとしている。
『いやいや、ここまで来てごまかす必要あることなのか?』
そう思いながら、俺は2人を見つめ返す。
すると、観念したようにコハクが口を開いた。
「えーっと、ごめん、聖。ちょっとでいいから目をつぶっておいてくれない?」
「・・・・・・うん、分かった」
ここで抵抗しても意味がないように思ったので、俺は素直に従う。
2人の動く気配を感じながらしばらく待つと、2人の「よしっ」という声が聞こえた。
「聖、いいよー、目を開けて」
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