1人が本棚に入れています
本棚に追加
果たしてそこに広がっていたのは、この家に似合わない風景だった。
苺を始めとしてたくさんのフルーツがきれいなハート型に盛り付けられていて。
ホットプレートまで出されていた。
そして、その奥にはチョコレート。
しかもただのチョコレートではなく、チョコフォンデュと思われるものだった。
『これって、商店街のお姉さんたちのアドバイス・・・・・・なのか?』
「これ・・・・・・何?」
ただ、ぼやっと予想していたものよりも派手な仕上がりだったので、そう言ったまましばらく固まってしまった。
「僕たち特製バレンタインパーティー!」
「せっかくなので、煌びやかにしてみました」
とにかく楽しそうなコハクに、自信満々と言った様子のチトセさん。
「いや、なんで?」
「えー!忘れてるの?今日はバレンタインデーでしょ?」
「いや、忘れてるわけじゃなくて・・・・・・俺らに関係ある?」
「ん?」
素朴な疑問をそのまま口にしたらコハクが真顔で固まった。
最初のコメントを投稿しよう!