1章.出会い

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言いようのない罪悪感が込上げてくる。 「龍司、ごめんなさい…。おれのせいで龍司までこんなにびしょ濡れになっちゃって…」 俺がここにいたせいで龍司まで… 「俺は大丈夫だ」 困ったように視線を落とした俺の手は、暖かい龍司の手で、しっかりと握りしめられる。 「っ!」 そのまま握られた手を引かれると、龍司の胸元に抱き寄せられた。 「湊、俺は大丈夫だ。俺は風邪なんて引かない…だから心配するな。湊は自分の事をもっと気にした方がいい」 龍司は抱きしめていた手に力を入れると静かに言った。 背中に回された手が優しくて、不思議と落ち着いていく気がした。 「…うん…」 なんでだろう。 龍司とは今日初めて会ったはずなのに、すごく安心する。 ねぇ、龍司 どうしてこんなにも、あなたの腕の中は安心できるのかな?
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