2章.君の笑顔

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「そんなことないよ。ちょっと昔の夢を見ちゃって…。でも大丈夫っ!」 昔と変わらない龍司の暖かい手に、少しだけ鼻の奥がツンとした。 自分でも分からないけど、龍司に触れられると凄く懐かしい気持ちになる。 それになんでかな…すごく泣きそうになって すごく… 胸が苦しくなる 「湊…?」 「あっ…ごめんなんでもない!ほら、龍司もう会社行かなきゃならないでしょ?ご飯食べよ?」 誤魔化すように笑いながら頬に添えられた手を握ると部屋を出た。 龍司は黙ったまま、何か言いたそうな表情で俺を見てくるが、直ぐに優しい表情に戻った。 「もう朝ごはんの準備は出来ている。一緒に食べよう」 「んー!美味しい!やっぱり龍司のご飯はすっごく美味しい!」 リビングに行くと、綺麗に並べられた朝食が視界に入る。 真っ白の艶があるご飯からは湯気があがっていて、出来立てだという事が分かる。 一口食べれば、その美味しさに思わず頬を綻ばせた。 「それはよかった」 嬉しそうに龍司が微笑んだ。 男の俺から見ても整いすぎていている端正な顔立ち。 見惚れながら心臓が高鳴っていくのが分かった。 「っ…」 なんだろう。 なんでこんなに龍司に俺…。 昔から龍司はカッコいいと思っていた。 成長していくとそのかっこよさに拍車がかかった様に感じ、最近では龍司の笑顔にドキドキが止まらなくなってしまう。 「湊?どうした。もう食べないのか?」     
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