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「幼馴染なのに、ちっちゃい頃から仲悪かったの?」
「そうでもないよ。幼稚園は別だったけど、よく遊んでたし」
むしろ小2ぐらいまでは仲良しだった気がする。
ちらっと未羽の方を見ると、近い席の男子と何やら話していて、その笑顔にイラッときた。
「三輪くんを嫌う意味わかんないよね。みんなの王子なのにさ」
「王子はやめて。恥ずかしいよ」
「だって本当じゃん」
「三輪くんと同じクラスってだけで、うちら幸せだなって思うもん」
「ありがとう。みんな優しいね」
平等に笑いかけると、うっとりした視線が返ってくる。計算通りだ。
この容姿とスペックに産んでくれた両親には、感謝しなければならないと思う。
身長182cm、フィギュアスケートで鍛えた体はバランスが取れているし、そこまでマッチョじゃないから細身の服も着こなせる。
父に似てすっきり整った顔立ちに、母ゆずりのくっきりした二重まぶたの切れ長な目がくっついていて、女子たちによるとこの目は「桃花眼」というものらしい。
ガリガリ勉強しなくてもそこそこ成績が良くて、男子同士で馬鹿やって騒いだりもする。
我ながら、非の打ちどころがないと思うのだ。
当然、ものすごく女の子にモテる。
でも僕のこのスペックは生まれつきのものだけじゃない。日々たゆまなく努力してきた成果なのだ。
そして、すべてはチョコレートのため、なのである。
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