仮採用

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太陽が照りつける中自転車を走らせる 頬に伝う汗を拭いながら向かった先は接骨院 携帯の地図を確認しながらあたりを見回す それらしい看板はなかったが空室のテナントを見つけた きっとここだ 「こんにちは」 恐る恐る扉を開けると中に一人の男性がいた 「面接に来ました。藤崎めいです」 震える声を押えながら声を発した 男性は一瞬考え込む様子を見せたがはっと表情を変えた 「はじめまして。吉田接骨院の院長です」 院長はマスクをしていてよく顔が見えなかったが 眉は整えられており、鼻筋も通っていてイケメンだということはわかった テナントの中は物がなく殺風景だった まだ新しく開店したばかりの店舗だとこの時理解した 「暑いよね。冷房下げようか」 滴り落ちる汗を見てさっと動いてくれた お礼を言うと院長は奥から椅子をひっぱりだしてきた 「では面接しましょう」
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