命の誕生

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 昭和50年10月8日の未明に産声を上げた息吹。その子を命からがら産み落とした母は、 頭に麻酔が回ったらしくて入院治療を余儀なくされ、彼は生まれてからすぐに、彼の母の 、彼の母とは住む別の町の昆布漁等が盛んであった、磯町の彼の母の父と彼の母の母が死去し、再婚した義理の母に預けられた。その彼の名は、彼の母は新たに生まれた命の彼に「まこと」と名付けた。  まことは、母親が出産後そのまま継続的に入院を余儀なくされて、母親の実家のある町に預けられ、磯の香りの町の中で健やかに育てられていました。実家の家は、玄関から入ると居間があり、奥には勝手口の付いた台所。左手に行くと2つ部屋のある平屋で、お世辞にも広いとは言えない、木造モルタルのまことが預けられた頃ですら、築40年以上は軽く経っていそうな建物でした。彼の祖父に当たるお爺さんは、磯舟漁師で、昆布を採ったり、海胆を採ったりで生計を立てていました。義理の祖母である、おばあちゃんは生まれたばかりのまことをとても可愛がり、まるで自分の子の様に可愛がっていました。  まことが生まれてから、祖父祖母の家に住んでいた事もあって、まことには他に上の兄弟が居るのは知らず、 まことが1歳と6ヶ月くらいの頃にようやく母親と父親のある家に戻れるようになりました。  まことが1歳と6ヶ月の年くらいの時には母親は退院をし、まことの家のある町の網工場での網の修復作業等の仕事をしていました。彼の父親は遠洋漁業の仕事をしていた事もあって、まことの家のある地元にはおらず、半年以上は船で暮らす生活をしていました。 それゆえに、まことは1歳6ヶ月くらいの頃から、町のお寺の経営する保育園に預けられました。  
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