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3 カノン砲
黒百合荘って介護施設の地下で西軍の草井ツヨシはロボットスーツを手に入れた。
宮部恭子の運転するレクサスで関ヶ原病院へと疾走した。防弾車両で師岡博士によって開発された。
モロQって呼ばれている。
『ワシはキュウリじゃない!』って怒っていた。
キュウリ夫人、キューリー夫人。
病院に続く丘をグングン上る。
突然、地面から巨大なカノン砲が現れた。
隠現式カノン砲塔と呼ばれるもので普段は地下に収納されている。
モチーフはマジノ線要塞だ。
フランスとドイツの国境に作られた要塞だ。
カノン砲が轟音を上げる。
恭子は巧みなハンドルさばきで砲撃をかわした。
山口シンゴの乗った軍用ヘリが上空に現れた。
病院の玄関の前でレクサスが停まる。
死にたくない!
ツヨシは思った。
ヘルパーになんかなるんじゃなかった。
こんな闘いはこりごりだ。
「何してるの!?いくわよ!?」
恭子は朗らかに言った。
「怖くないの?」
「やっと死ねるのよ」
恭子は子宮がんに蝕まれていた。
口癖のように「死にたい」って言っていた。
ヘリの機関砲がカノン砲を撃破する。
ツヨシはベレッタをホルスターから抜いた。
病院のバルコニーに敵兵が2人立っている。
寺沢広高と京極高知だ。東軍の武将だ。
恭子はグレネードランチャーで寺沢と京極を地獄に葬った。
寺沢は37歳、豊臣秀吉に若い頃から支えていた。肥前唐津藩主でキリシタンだ。長崎奉行をしたこともある。朝鮮出兵では補給や兵力輸送を担当し、武断派(加藤清正・福島正則)から憎まれていた。
同じ文治派の石田三成、大谷吉継、小西行長は徳川に歯向かったが寺沢は家康を支援した。
寺沢には安田国継ってゆー配下がいた、若い頃に立身出世を夢見て、どちらかが国主になったら一方は10分の1の禄をもって家臣に約束した。
国継はあろうことか明智光秀に支えてしまった。
国継は信長に手傷を負わせた。
一時期はスーパーヒーロー扱いされたが、秀吉によって光秀が討たれると存在は薄れていく。
羽柴秀勝(信長の四男、秀吉の養子。賤ヶ岳の戦いや小牧・長久手の戦いで活躍)、羽柴秀長(秀吉の弟)、蒲生氏郷、立花宗茂と主君をコロコロ変える。
寺沢は約束を忘れたわけじゃなかった。
8000石で国継を召し抱えた。
京極高知もキリシタンで、秀吉死後は徳川家康に接近して岐阜城攻めに参加した。
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