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「ミカ~」
ミカは嬉しかった。
ミカは猫の世界では、
『変なヤツ、あっちいけ!』
と、何処へ行っても追い出されていた。
絶対、近づいてはダメだ
と言われていた『ニンゲンの世界』に行くしかなくなった。
ポロポロ涙を流しながら、
『こんな目の色じゃなかったら、よかったのに。あたしだって、こんな目に産まれたくて産まれた訳じゃないのに…』
と、にゃー、にゃー、と寒い雪の中を泣きながら歩いていった。
そうしたら、
『ニンゲン』が出てきた。
ビクッとしたけど、『ニンゲン』はポカポカ暖かかった。
『ニンゲン』は、恐くなかった。
ポカポカ暖かかったし、優しいんだよ。
わたしは目の色が違う事で、『ニンゲン』の世界では受け入れられる事になった。
わたしの世界は広がった。楽しい世界が待っているんだわ。
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