少女の最期

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「おらぁっ!」  父はいつも私を殴る、蹴る。 「はははっ! 良い気味ね!」  母はいつも嗤っている。  帰ってくるといつもこうだ。だから私はあまり家には居たくない。でも、他に行く場所は無いし、家のことをやらなければもっと酷くなる。  助けなんて来てくれない。無駄に外面だけは良いから。 「今日はこのくらいにしといてやるよ」  部屋を出ていく2人。 「ぅう……っ」  痛い、辛い、悲しい。  蹲っていると、白蛇が擦り寄って来る。 「白……。ありがと」  あぁ、また涙が出て来た。 「苦しいよ、白……! もう、やだよ……っ」  ……なんて、白に言ったって何にもならないけれど。でも、愚痴を零すくらい、良い、よね?  これが、最悪の、どん底に堕ちる切っ掛けになるなんて。  今日も今日とて、虐待だけの日だった。  白におやすみと言い、床に寝転がる。  すぐに眠れた。
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