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夢を、見た。
白が、両親から私を守ってくれる夢。
ダメだと、止めてと手を伸ばしても、身体が思う様に動かない。
母が悲鳴を上げて、包丁を振り下げた。
白は……、白、は、頭を、貫かれた。
もがいて、もがいて、もがいて、……動かなくなった白。
床は血に染まり、白の美しい白銀の鱗も、赤く、紅く、朱く……。
夢なら、覚めて……! 覚めてよっ!
念いとは裏腹に、目が冴えて行く。これは、夢ではないと、現実なのだと、理解させられていく。
「い、やだ……! やだ……っ! ああああぁぁあぁぁあああああああああああっっっっっ!!」
足を縺れさせながら、手を着きながら。白の下へと駆け寄る。
「置いて、かないでっ! 白、白! っしろぉ……!」
もう、動かない白を、抱き上げる。
「何コイツ……。なんか話してるなと思ってたら、こんなモノ飼ってたなんて……! 気持ち悪いわ! 貴方、コレ捨てて!」
「きったねぇな!」
私から白を奪い、窓を開けて放り投げる。
「白! 白っ!」
「うるさいっ!」
がつん。殴られた。
その一撃で、私の頭は悪い方に冴えて行く。
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