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「だいたい、あんな……────」
女が、何かを叫んでいる。
何も、聞こえない。聞きたくない。
私から、白を奪った奴の言葉なんて……。ああそうだ……! コイツ等が、白を、奪ったんだ! じゃあ、やりかえさないと、だよね?
ふらりと立ち上がる。
「ちょっと! 聞いてんの?!」
「……うるさい」
「はぁ?!」
拳を振り上げる女。
それを避け、ソイツの顔面を殴る。
「がっ?! ……っな、何で……?!」
「同じ攻撃、同じ威力。……何度、見て来たと、浴びせられたと思ってる……!」
女が殴られたときに手放した包丁を手に取る。
「何を……?!」
「白を……、私の愛しい白を、奪ったんだ……。当然、やり返される覚悟、出来てるよね……?」
顔を上げる。
「ヒッ?!」
分かり易く、怯え、震える女。ふと、後ろから足音が聞こえた。
反射で拳を避ける。そして、太腿に包丁を深く、深く刺す。
汚い悲鳴を上げ、倒れる男。
「もっともっと、苦しんでよ! 私達の苦しみは、こんなモノじゃない……!」
男の太腿から包丁を抜く。そして振り返り、逃げようとしている女の足を掴んで引き戻す。
包丁を振り上げ、脹脛に刺す。
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