0人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ……っ」
目が覚 める。
一瞬、夢から覚めたのかと思った。……違った。正気に戻った、だけだった。
部屋一面に飛び散って固まった血液。手に持った血塗れの包丁。
蘇る記憶。
「ふ、ふふっ」
つい、嗤ってしまう。
「ああ……! いざ振り下ろしてしまえば、こんなにも簡単なことだったなんて……っ! ふふっ。あはは……っ!」
一頻り嗤った後、窓に近付く。
「待っててね、白。すぐに、ソッチに逝く、から」
窓から身を乗り出し、頭から飛び降りる。
これで、解放される……。
夜が、明けた。
最初のコメントを投稿しよう!