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「1人目。佐久間陽山。男性。左利き。175センチで体重70キロ。趣味は登山。イケメンだがアンニュイな雰囲気を持ってるな。この写真はどこから?」
「ネットで適当に拾ったものだ。どっかの俳優かなんかだろう」
「ふうん。2人目は……おっと可愛いな」
博士は鼻を鳴らした。
「2人目は桃木桜。女性。左利き。160センチで体重40キロ。はは、本当かよ。趣味は料理と音楽鑑賞。ゆるいパーマがチャーミングだね」
これもネットから拾った写真なのかい? という僕の問いに、博士は「そうだ」と答えた。
「3人目。宅間拓朗。男性。右利き。165センチで80キロ。ふむ。一般人がオタクと聞けば最初に想像するような容姿だ。趣味はアニメ鑑賞にフィギュア集め。アイドルの追っかけもやってるのか。へー」
「分かってると思うが――」
「写真はネット出自、だね。本当の人物とは全く関係ないってことだろ? 分かってるよ。それにしてもよくこんなピッタリなのがネットに上がってたな」
「面白がってアップされたんだろう、かわいそうに」
暇つぶしの道具にしているお前が言うな、という言葉をぐっとこらえた。
「容疑者はこの3人でいいんだね?」
「必要な情報は自作小説にある。読んでみてくれ。それで、これが被害者のプロフィールだ」
「いっぺんに渡してくれよ」
文句を言いながら紙を受け取った。
「ふむ。女性か。七海奈美。150センチで40キロ。右利き。趣味は書道。へー渋いな。写真も大和撫子って感じがする。実に僕好みだ」
「今開示できる情報はそれだけだ。後は……」
「読めって言うんだろ? じゃあ早速」
僕は左上に手書きで①と記されている紙に目を走らせる。
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