プロローグ

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暖かく優しい風が吹く春。目を覚ましてカーテンを開ければ夏だと思ってしまうほどの眩しい日差しが差し込む。 まだ住み慣れない都会の街を歩いていれば少し早咲きの桜の花が隅田川沿いに咲いている。 ひらりとおそらく咲いたばかりであろう桜の花びらが肩についた。散っていく花が切なさを感じさせるがそれでも美しいと思えた。 綺麗な花だな、と思いそっと取ろうとした時、風に吹かれ空へと舞った。それを見てふと思った。彼女みたいだと。だから僕は桜に伝える。 ありがとうと
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