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すると稲葉先輩は、眉を曇らせた。
「……うん。当時付き合っていた。
彼女……麗奈とは、付き合っていたが
嫉妬や束縛が激し過ぎてね。正直
別れようと揉めていた時に君を見つけた。
一目惚れって……やつかな?」
「でも、彼女の目が合ったし
なかなか決着がつかずにズルズルと
なってしまい卒業をしてしまった。
彼女とは、あれから進路も違うから
別れられたけど
その時には、すでに遅かった」
悲しそうに笑う稲葉先輩を見て
あの当時に自分のしてきたことに後悔をした。
私達……思い違いをしていたのだと
もし、あの時に告白をしていたら
付き合えていたのかも知れないのに……。
「知りませんでした……先輩の気持ち……」
まさか、今になって
あの当時の告白をされるとは、
思ってもいなかった。
昔の私なら嬉しかった。
なのに……胸がズキッと痛んだ。
「佐久間さんって……今、彼氏とか居るの?」
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