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「いえ、緊張して寝不足なだけです。
でも平気ですから行きましょう」
私は、笑顔で平気なふりをした。
本当は、寝不足が続き食欲もない。
だけどせっかく社長を忘れられるチャンス
なんだから
今日は、楽しまなくちゃあ……。
私は、無理をしてショッピングモールに向かった。
そこに映画館がある。
映画は、ラブストーリーを観るが
普通に素敵な物語だった。
様々な困難を乗り越えて結ばれる
純愛ものだったのだが私には、
辛過ぎる内容だった。
涙が溢れて止まらなかった。
何処かで、私と社長を
重ね合わせていたのかもしれない。
「大丈夫?佐久間さん」
映画が終わると休憩スペースに座った。
「すみません。迷惑をかけて」
ハンカチで涙を拭きながら言った。
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