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「ハハッ……気にしないでいいよ。
感動するストーリーだったし。
俺も久しぶりに涙が溢れてきた。待ってて
今何か飲み物を買って来るから」
ニコッと笑うと稲葉先輩は、
飲み物を買いに行ってしまった。
優しい先輩に余計に罪悪感を覚える。
違う……映画が原因じゃない。
本当は、分かっているのだ。
社長に対する気持ちが大き過ぎて
耐えられなくなっていることに……。
私。何をしているのだろう?
憧れの先輩の彼女になって、デートをしてるのに
心から楽しめていない。
まるで脱け殻だ。
こんな気持ちで、稲葉先輩と居ても相手に
失礼過ぎる。
別れよう。気持ちを伝えて
自分で蹴りをつけないと前に進めない。
そう思い立ち上がろうとした。
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