修羅場の行く末。

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か、勝てない……。 それは、見てすぐに理解をした。 いくら頑張っても……こんな綺麗で品のある人に 勝てる自信なんて私にはなかった。 するとその女性は、私を見て優雅に微笑んだ。 「はじめまして。 私は、藤堂早百合(しんどうさゆり)と言います。 秀……」 「も、申し訳ありませんでした!!」 私は、奥さんの自己紹介を聞く間もなく 深く頭を下げた。 これ以上……耐えられなかった。 私は、居ても立っても居られずに 逃げ出すように走り去った。 「夏希!!?」 遠くから社長の声がした。 でも、涙で振り返ることが出来なかった。
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