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第一話 機兵ネプテューヌ
水深、15メートルあたりでスルクは海底に着地した。
海底に鎮座する様々な旧時代の遺構は、このあたりが昔は陸地であったことを物語る。
スルクは構造物の中から一つの石碑に泳ぎ寄り、石碑に付着した海藻類を手で払った。
函館山、石碑には旧時代の文字でそう刻まれていた。
ハイパーベンチレーション。潜水前に意図的に過呼吸を引き起こすことでスキンダイビングの潜水時間を伸ばす呼吸法。
そのハイパーベンチレーションをしても自分にはこのあたりが限界。スルクはそう思い、海底を軽く蹴って、名残を惜しむかのようにゆっくり、自分の吐く泡よりも遅く……水面に浮上して行った。
「おーい! スルク! 上がって来いよ!」
海面に浮上したスルクはすぐにその親友エドの声に気が付いた。水面の弾ける音に反応して声をかけたのだろう。
「ああ、エド。はしごを降ろしてくれ」
はしごはスルクの返事と同時に降りてきた。
水戦機兵ネプテューヌ。水上、水中戦に特化した戦闘ロボットの総称が「それ」だ。
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