妄想プリンセス、王子様に出会う。

王子様と出会った！

『ゴリラ産んじゃったわ、と思ったわ』
『いや、ゴリラの方が美人だよ』

ワタシのお父様とお母様は、何回もワタシの事を人に話す。
ワタシのお父様とお母様は、マジで美形だ。だけどワタシは

『北斗の拳』のラオウ

まんまなのね、ワタシの顔。
いっそのこと男の子ならよかった。
でもワタシの心は『乙女』『プリンセス』。
しかも、化粧…もうこれは特殊メイクよね、メイクすると『可愛い女の子』になっちゃうのよ。でも体つきは『ラオウ』…

想像してみて。マリー・アントワネットの顔をしたラオウ。

キモいわよね。

ワタシはお裁縫が得意、というかラオウのガタイに合う女の子の服なんて買いに行けないでしょ？

おまけに、チャイナドレスとかパンツルックならまだしも、ワタシはフリフリのドレス系が好きなの。
ゴスロリなら、なんとか許されるかな…と、思ったけど…お笑いにしかならない。
でも、ワタシはワタシ。
好きなメイクをして好きなサーモンピンクのドレスを来て外に出掛けるの。

そんな2月のある日

「やっと見つけた！」はぁはぁ息を吐きながら、男の人がワタシを追いかけて来た。
ビックリしたわ。
だって、その男の人の顔マリー・アントワネットなんだもの。