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顔はマリー・アントワネットの彼は黒いスーツに赤いマフラー姿。
「やっと見つけた。…ボクのお姫さま」
エエエーッ
ここは銀座の中村屋の土真ん前。
『何かのドラマの撮影?』
『ドッキリ?』
うん、ワタシもそう思ったわ。
ミスター マリー・アントワネットは
「こっちへ来て!」
とワタシの逞しい腕を華奢な手で掴むと、たたたたと駆け出した。
ラオウの様に逞しい顔だけミス マリー・アントワネットのワタシはドッスドッスと駆け出した。
「さぁ、どうぞ。」
ミスターマリー・アントワネットにエスコートされて銀座千疋屋の特別室へ案内される。
突然、ミスターマリー・アントワネットは、チョコレートとキウイのサンドイッチを乗せたお皿を持ってワタシの前に膝まずいて
「ボクと結婚を前提に付き合ってください!」
と言った。
「ワタシ、顔も体つきもラオウみたいなんですけど…」
「素敵です!ボクとお付き合いしてください!」
ワタシはつい
「喜んで」
と言った。
2月14日、バレンタインディにワタシは彼、鬼瓦ケンシロウくんと出会った。
あんまり走ったりビックリしたわで特殊メイクが剥げたのか、半分ラオウになっているワタシの顔をケンシロウくんは恍惚とした表情で眺めていた。
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