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その夜。
俺は、その日佐伯に言われたことを神岡に説明した。
「俄かには信じ難くて……君にも、僕にとっても、きっと喜ばしいこと……?」
心配ないとは言いながらも、気になっていたのだろう。神岡は、俺の言葉を真剣な面持ちで聞いていた。
「ええ。詳しい話はもっとよく検査してから、と言われましたが……先生、なんだかちょっと楽しそうな顔してたなあ」
「んー……なんだろう?まるでなぞなぞみたいで、見当もつかないな……
でも、とりあえず深刻な話をされたわけじゃなくて、本当に良かった」
そう言って、彼はやっと安心したような笑顔を俺に向けた。
この時は、俺も彼も、まだ知るはずもなかった。
俺の身体に、とんでもなくぶっ飛んだ異変が起こりつつあることを。
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