extra キスの次に

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「これ、作ったんです。甘いですけど、食べてもらえたらって思って」 「お、バレンタインデーだね。私は甘いもの大歓迎だ。有難くいただくよ」 「しかも、女子高生にもらえるってなかなかないからな。ありがとう、寧音ちゃん」 女子高生になるのはもう少しさきだけれど、と思いながらチラッと見たお兄ちゃんはおもしろがって首をひねった。 「いつもお世話になってるのに、これくらいしかできなくて」 「いい妹だなぁ。輝、仕事バリバリやれるようになんないとな」 「はい。そのつもりです」 「しっかし、おまえたち、兄妹っていうより恋人に見えるくらい仲いいよな」 お兄ちゃんの手もとを指差しながら先輩がからかう。 「そうですよ」 お兄ちゃんのあたりまえみたいなすました答えにみんなが笑いだした。
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