女性の妹にされる男性の話

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私の言葉を聞いた沙織お姉ちゃんは私を抱きしめて優しく頭を撫でてきた。 「大丈夫よ。誰も戻れなんて言わないわ」 「ほんと?」 「ええ。本当よ」 「良かった」 安堵した私は沙織お姉ちゃんに体を預けて目を閉じる。そんな私の頭を沙織お姉ちゃんは撫で続けてくれていた。 とある平日の夕方。私が沙織お姉ちゃんとリビングでのんびりしていると、インターフォンが鳴った。 「私がでるね!」 「ええ」 ソファーから立ち上がり、インターフォンのモニターの前に立つとそこには見知った女の子が立っていた。 「由美お姉ちゃん。どうしたの?」 『お母さんが仕事で遅くなるなるだけどね。私。お家の鍵を忘れて入れないの』 「わかったよ。開けるね」 『うん』 私が鍵を開けてドアを開けると、私が好きなブランドの服を着た小学5年生くらいの女の子が悲しそうな顔で立っていた。この子の名前は村吉由美お姉ちゃん。私と違い本当の女子小学生だ。実は由美お姉ちゃんには前の私が成人男性だった事は知られているが、由美お姉ちゃんのお母さんには知られてない。私が由美お姉ちゃんをお姉ちゃんと呼ぶのは、女子小学生としての先生が由美お姉ちゃんだからだ。由美お姉ちゃんには沙織お姉ちゃんの紹介で知り合った。知り合った当時の私は、女の子になって間もなかったので、ちょっとした言動で女子小学生では無いことがバレてしまい。沙織お姉ちゃんの勧めで女子小学生としての教育を由美お姉ちゃんからしてもらった。最初はびっくりしていたが、時間が経つにつれて仲良くなった。一人っ子な由美お姉ちゃんを始めてお姉ちゃんと呼んだら、由美お姉ちゃんは嬉しそうにして、ずっとお姉ちゃんと呼んでと頼んで来たのでそのまま由美お姉ちゃんと呼んでいる。ちなみに私より由美お姉ちゃんの方が少しだけ背が高い。 リビングに戻ると沙織お姉ちゃんがソファー越しにこちらを振り返る。 「由美ちゃんだったのね。いらっしゃい」 「こんばんは。沙織お姉ちゃん」 沙織お姉ちゃんと由美お姉ちゃんが挨拶を交わす。そして、私と沙織お姉ちゃんが並んて座り、その正面に由美お姉ちゃんが座って会話が始まった。
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