女性の妹にされる男性の話

3/9
91人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
部屋に入った俺は目の前の光景を見てこのマンションに来てから3度目となる溜息をはいた。俺の目の前には、フローリングに白地にピンクや赤でハートマークが刺繍されたカーペットが敷かれ、壁には水色の壁紙が貼られている。勉強机も置いてあり、机には女児向けアニメのキャラが描かれた敷物がある。そして、本棚には女子小学生向けの漫画雑誌で連載されている作品の単行本や小学生向けの市販されているドリルが並ぶ。タンスもあり、収納部分はピンクで、机の敷物と同じアニメのキャラのシールが貼ってある。どこからどう見ても女子小学生の部屋だ。 「…はぁ」 4度目の溜息をはき、俺はタンスの1番上にある小さめの引き出しを開ける。タンスには幼い少女が穿く様な色とりどりのパンツが綺麗に畳まれて入ってる。俺はその中から手前にあるパンツを取りだすと、引き出しを元に戻してからその隣の引き出しを開ける。この引き出しにはこれまた色とりどりのタンクトップやスリーマーが収納されていて、その中からスリーマーを1つ取り出し引き出しを閉める。1度。パンツとスリーマーを床に置く。よく見ないで取ったパンツとスリーマーは両方ともピンク色でパンツには白のストライプが入り、後ろの部分には英語とハートマークが描かれている。スリーマーは半袖で、襟の中央には白の小さなリボンがついていた。次に俺は下着が入っていた段の下にある横に長い引き出しを両手で開ける。目に入るのは女子小学生が好みそうなデザインのトップスばかりだ。俺は手から1番近くにあった服を取り出し、床に置いてから引き出しを閉めて、一段飛ばして床から2段目の引き出しを開ける。そこはボトムスが収納されていて、適当に取り出して引き出しを閉じる。床に並べられた服をもう一度見る。トップスは有名な女児服ブランドのロゴやそのブランドのキャラクターであるウサギが書かれた白の長袖Tシャツで、ボトムスは同じブランドの黒いミニスカートだった。 「はやく着替えないと…」 あまりモタモタしていると、沙織さんがやってきて無理やり着替えをさせられる。その時。沙織さんは必ずこう言う。 「あらあら。薫ちゃんは1人でお着替えができないのね。なら、お姉ちゃんが着替えさせてあげるわね」 その時の沙織さんはくすくすと笑い、俺をまるで幼い子供を見るような目で見てくる。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!