女性の妹にされる男性の話

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「ふふ。薫ちゃんも3ヶ月前に私に痴漢をしなかったら、私の妹に無理やりされる事も無かったのにね。うーん。さっきはよくできましたって言ったけどまだ吃るわね。そうだわ。皆に見て貰って可愛いって言われたら、薫ちゃんの女子力…いいえ。女児力が上がるかもしれないわね。こんなに可愛くなった薫ちゃんを皆に見てもらいましょうか」 「…!?ご、ごめんなさい!誰にも言わないで!」 ここでまたその事を言われると思わなかった俺は沙織さんに縋り付く。 そう。今の俺があるのは、3ヶ月前に電車で沙織さんに痴漢をした俺自身の所為だ。最初は通報する気まんまんだった沙織さんは必死に謝る俺のつま先から頭を見てから、通報されたく無かったら私の言う事を聞けと言ってきた。通報&逮捕で人生を終わらせたく無かった俺は言われるままにこのマンションに来た。初めて来た時に出されたお茶を飲んだ俺は、急激な眠気に襲われてそのまま寝てしまい、起きたら女児用の下着姿でソファーに寝ていた。 「ふふ。いい写真が取れたわ」 「こ、これは…!?な、なにをしたんですか!?」 「何って。貴方。よく見ると背が私より低くて可愛いから小さい女の子の格好が似合うと思ったから着替えさせたのよ。反抗するならこの写真をネットにあげるわよ」 「なっ…!?」 沙織さんが持つスマートフォンの画面には某大規模SNSの投稿文入力ページが表示されていて、女児下着姿で眠る俺の写真が貼られている上に、村尾薫は実は小さな女の子が着るような服で女装するのが好き!と書かれていた。 「ああ。女性に痴漢しました。って書くのも面白いかもしれないわね。知ってた?今はぬのからでも指紋が取れて、裁判での証拠になるのよ?」 「……っ!?」 目の前の女性は俺を警察に突き出した上に、ありもしない女装趣味をでっち上げてネットにばら撒くと言っているのは明らかだ。 「わ、わかりました…」 「よく言えました。これからもよろしくね。薫ちゃん」 これからものもを強調して言い沙織さんは微笑んで見せた。仕事でむしゃくしゃしてた…いや。理由があっても無くても痴漢なんてバカな事をしたあの時の自分を殴りたくなった。
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