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私が沙織お姉ちゃんの妹になってから半年が過ぎた。私がだった上に汚い男物の服や下着を着てたのが遠い昔の様に思える。私を女子小学生にしてくれた沙織お姉ちゃんには監視してもしきれない。あれから沙織お姉ちゃんには女の子としてのいろいろな事を教えてもらった。今では仕事を辞めて、沙織お姉ちゃんのマンションで一緒に暮らしている。本当の女子小学生じゃないから、小学校には通えないが算数や国語のドリルを毎日やっている。
「薫ちゃん。ただいま」
私が部屋で算数のドリルを解いていると、部屋のドアが開かれて沙織お姉ちゃんが入ってくる。
「沙織お姉ちゃん。おかえりなさい!」
私は椅子から立ち上がると、沙織お姉ちゃんに抱きつく。そんな私の抱擁を沙織お姉ちゃんは受け止めてくれ、優しく頭を撫でてくれる。その気持ち良さに私は目を細めた。今の私の髪はウイッグでなく、地毛を伸ばしたものでお手入れも欠かしていないのでサラサラだ。
「薫ちゃん。今日は誕生日だからプレゼントよ」
「ほんと!?ありがとー♪」
誕生日と言ったが、本当の私の…まだ、男なんて怖い生き物だった時の誕生日じゃなく、私が女子小学生となり、沙織お姉ちゃんの妹になった日が私としての誕生日。それが今日だ。
私は沙織お姉ちゃんから渡された包装紙を丁寧に開ける。出てきたのは有名女児服ブランドの箱だった。
「わぁ~」
箱の蓋を開けて、出てきたのは私が前から欲しかった女児用のフォーマル衣装で、チェックのプリーツスカートに白のブラウス。黒のアウター。胸ポケットにはブランドのロゴが刺繍されている。それに、プリーツスカートと同じ柄の首元につけるリボンもある。
「ふふ。嬉しそうね」
「うん!とっても嬉しいよ!ありがとう沙織お姉ちゃん」
私は満面の笑みで沙織お姉ちゃんに抱きついた。
夕食を終えて、沙織お姉ちゃんとソファーに並んで座りテレビを観ている。
「薫ちゃんは男の人どう思う?」
「男の人…?怖いと思う」
「どうして?」
「だって男の人って女の子に酷いことするんでしょ?」
「ええ。そうよ。男に戻りたいと思う?」
私は沙織お姉ちゃんの言葉にびっくりする。
「嫌!絶対に戻りたく無い!戻ったら沙織お姉ちゃんの妹じゃなくなるもん!」
私は首を横に激しく振りながら言う。
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