いざ鬼たいじへ

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 「おっにたいじ~♪ おっにたいじ~♪」 イルニャ王国のおひめ様であるミュッテランスンは、とてもきげんがいいようです。 いっぽう、がらくたにたましいを宿した勇者パッテツンムンと、その親友の赤ネコバラマは、この長花(チョウカ)帝国の帝都(ていと)長娘(チョウニャン)に近づいてから、まったくと言っていいほど気分がすぐれないのでした。 それというのも、長娘に近づくにつれ、空はどんよりと黒い雲におおわれていき、地面にはぶあつい氷と雪がパッチたちの目前に立ちふさがっていたからです。 そして弱っちいバラマと心やさしいパッチは、鬼たいじという重役を自分たちではになえないのではないか、という不安があったので、パッチもバラマも気分的にもだいぶめいってしまっている状態でした。
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