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そうこうしているうちに、パッチたちを乗せた馬車は、長娘の門前についたのでした。
馬車の馬が、パッチたちに話しかけます。
「あたしはここまでしか送れないよ。
中には鬼がわんさかいるっていうからね。
くれぐれも気をつけて…って、言っても、どうせ気をつけたって無理なハナシだとは思うけどね。」
豆を食うことに夢中になっているひとりといっぴきに代わって、パッチがその馬へていねいに返事をしました。
「わざわざここまで送ってくれてありがとうございます。
僕らはこれから、その鬼をたいじしに行くのです。
あなたも気をつけて帰ってください…。」
その鬼たいじというおどろくべき言葉を耳にした牝馬は、顔色を変えたかと思うと、いきなりパッチたちに向かって、笑いながら言うのでした。
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