14才の蒼い10番

2/8
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
───10  この数字を見た時、皆はどのような気持ちを抱くのだろうか。  いきなりで申し訳ないが、考えてほしい。  俺はもう咄嗟にある気持ちを抱いてしまうのだが、皆にとってこの”10”という数字は、何か物を要求するときに、偶数で丁度良いためか、咄嗟に提示してしまう数字なんだろうか。  これは憶測に過ぎないが、”10”という数字は誰もが丁度良い数字だと思っているのではないだろうか。  何かと評価したいときに「10点満点中何点」という風に使うし、物を五個ずつ二人に分けたい場合、または二個ずつ五人に分けたい場合、または備蓄を考えて買う場合に”10”という数字は生きてくる。  まだまだ”10”という数字の使用用途は沢山あるが、言うなればこの数字は───万能なのだ。  偶数ということもあり、丁度良い数を気にする人間の本能で使ってしまう可能性が高く、それでいて汎用性も非常に高い。  要所によっては使用用途で非の打ち所はあるだろうが、”10”という数字はそれを補えるような重要な役割を果たしている。  大方の人は便利だという気持ちを抱くだろう。  だが、俺の抱いた気持ちは違う。    確かに便利な数字だ。     
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!