14才の蒼い10番

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《───グループ予選最終戦、日本対サウジアラビア。両チームともここで勝てばアジアを代表として世界へ挑戦する本選への出場権を獲得することができる重要な試合ということもあり、とても白熱した戦いをスタジアムに居る全員に見せつけています。前半、後半共にお互いに決定機を作り出すもどれもディフェンス陣の気迫とレベルの高い守備でシュートが阻まれました。そしてそのままずるずると膠着状態が続いていました───》  揺れるスタジアム内。  両チームの観客席では、多くのそれぞれ蒼と緑の大段幕と旗が振られている。  そしてそれに連動するかのような大勢のサポーター達の歓声。  揺れているのは、その歓声達が原因だった。 《しかし、今をもってアディショナルタイム4分が終わろうとしていますが、なんと今、日本が絶好の位置でフリーキックを獲得し、このラストプレーが得点の最大チャンスとなっております。───アディショナルタイム2分に差し掛かった時、それまで持ち前の体力とフィジカルで破竹の勢いで攻め立てていたサウジアラビアが、仕掛けます。U―17サウジアラビア代表の俊足の左ウイング27番のイハル・ルサクが一人をスピードで振り切って、バイタルの危険な位置にクロスを上げましたが、それを頭で合わせようとした長身ストライカーの9番、シャルム・ハドメドにU―17日本代表のCB(センターバック)背番号3番の三堀(みほり) 隆(りゅう)が何とか競り勝ち、そのこぼれ球に素早く反応した右SB(サイドバック)背番号5番の相田(あいだ) 太一(たいち)が前線へ素早くロングフィード。それにボランチの背番号19番、飯田(いいだ) 勝義(かつよ     
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