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「魔法で冷やしたエールはいらんかねー、キンッキンに冷えてて脳天にぬけてくよー!」
「当方スクロールショップ、人気のテレポートの魔法、重量軽減の魔法、大量入荷しております」
こんな風に景気良く声を掛けてティンクの細い両腕と小さな鞄を埋めてくれる活気が有ると言う事だ。
ボートは内陸の町にしては異常なほどに多いと言う事だ。近くには一応それなりに大きな河川は有るがそれにしたって多過ぎる。
……具体的にはざっと見ても大量の空き家の倍近く、空き家に固定されたものとされていないものが一つずつ。そんな具合に異様な存在感を放っていた。
(やっぱり聞くと見るとじゃ大違いだな)
――そう、ある事情によって下調べを行ってからこの町を訪れたピーターにとって知らないことではなかったが、事前知識をする抜けて衝撃を与える程の異様さと言えた。
(なるほどな。王都には余り情報が流れて来なかったし眉唾扱いされてたけど、伝説と依頼は本当らしいな……)
東の王国は現在ピーターのいる西共和国を蛮族の国と蔑み、西は西で東を田舎と見下すというのはピーターの様な仕事をしている者にとって厄介だった。
(これは一儲けどころの騒ぎじゃ終わらないな……)
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