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「おやおや、これは皆さんなにかございましたか?」
そこには仮面舞踏会でする様な目だけを隠す仮面を被った男が飄々とたっていた。
もちろんそんなものを被ってるのはこの男だけなのだが誰も変なやつだと思はないのは彼が奇術師だからである。
ピエール尾張と名乗ったその男は昔のトランプマンという奇術師を思わせるマスクをしていた。
トランプマンと違うところは白塗りではない事と、紅白に色分けされたマスクだろうか。
紅白は鷲尾元斎の快気祝いということで縁起を担いだものらしい。
そして、奇術師を筆頭に殆どの客人も救急車が来るような事態に不安を感じて2階まで様子を見に上がってきた。
「これはこれは皆さん…大事なお客人を放っておいてしまい申し訳ない。」
そういって鷲尾元斎は頭を垂れた。
「とんでもない。私ごときに手伝える事があれば喜んでお手伝いしたいと思い馳せ参じたまでです。」
そう言ってピエール尾張はまるでピエロの舞台挨拶さながらに大袈裟なお辞儀をしてみせた。
周りに集まった客人もピエールほど大袈裟ではなかったが、口々に協力の意を表明した。
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