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確かに庭の池までなら何らかの滑り台でも用意すればトコロテンの様に滑らせる事が可能かもしれない。
「しかし、音がしないか?」
私は鋭い質問をした。
「筒のようなもので水中深くまで伸ばして池の底に直接運べば音はしないと思いますよ。そのほかの方法でも音がしない方法はあるかもしれませんが…。」
なるほど、その方法なら短時間で金塊を隠す事ができそうだ。
「しかし、こう暗くては今は確かめようがないですね…。あ。」
「どうしました?」
「私としたことが、監視カメラに映ってるんじゃないです
か?」
「あ、そうか。」
元也も今頃気がついたと見えて、警備の山田さんを呼んだ。
「どうされました?……あ。」
金庫が空いているのをはじめて知った山田さんは驚きの声をあげた。
「…あ。じゃないよ、ちゃんと監視してたのか?サボってたんじゃないだろうな?」
「す、すみません!しかし…。」
「しかしなんだ?」
元也が山田に冷たい目で質問した。
「怪しい人なんて誰も出入りしてませんが。」
「え?」
「ですから…不審な人々は誰も出入りしてません。」
一同黙ってしまった。
もし本当なら…どういうことだ?
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