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「そ、そういえば映画とかでたまに監視カメラの映像がすり替えられたりしてるだろ?あれじゃないか?」
元也はなんとかこの悪い流れを変えるべく犯人が外に出ている可能性を模索して山田に聞いた。
「そんな、うちの防犯カメラの性能では考えられません。ハッキングもできませんし、カメラの前に何か仕掛けてもすぐにセンサーでわかります。」
山田さんは監視カメラの性能の良さを我が事の様に自慢した。
しかし、山田さんが力説すればするほど、皆の不安は高まる。
「とりあえずですね…。念の為屋敷の周りに警官隊を配備しますのでご安心ください。」
私は近くの警察署に応援を要請し、鷲尾邸の周りを警官隊で囲った。
これで、賊がどこに居ようと逃げられなくなったわけだ。
「それでは、後は我々が引き受けますから皆さんには事情聴取…というか簡単な身分証明をして頂いてから帰って頂こうと思います。元斎さん、それで良いですね?」
「…う、うむ、しかたあるまい。」
こんなことでわざわざ集まってもらった客人を返すのは本意ではないが、賊がまだ屋敷内に居る可能性が高いとなると、致し方ない。
元斎はそう考えた。
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