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「そして、停電の時に椿さんを襲い誰かに気付かせる。」
「どうやって?」
「花瓶ですよ。犯人の誰かが態と割ったのです。」
「なるほど、態と割った花瓶を掃除するために掃除道具を取りに行かないといけない。そこで開いてる扉を見つけたら覗いてしまいますね。」
私はピエールの推理に一理あると思った。
「ちょっと待って。私が椿さんを見つけたのは、たまたまなんですよ。意図的にという推理は間違ってるんだけど。」
桜がピエールの推理に割って入った。
「というと?」
「あの時、扉は閉まってたの。」
「はい?」
「大旦那様の部屋は閉まってたんです。だから、私が開けなければ椿さんも見つからなかったんですよ。」
「あの、変な質問かもしれませんが、なぜ開けたんです?」
「それは……その部屋だけ電気が点いてたので」
「それで?」
「だって、私ばっかり仕事して椿さんサボってたとしたら狡いじゃないですか?」
「ま、まあね…。」
「それで、ブレーカーを上げて二階にあがったら大旦那様の部屋の電気が点いてたので…ここにいるんだなと…。」
「確かに居ましたね。」
「はい。」
「というわけで、推理が違うみたいですけど続けますか?」
私はピエール尾張に向き直ってそう言った。
「…もちろんです。扉がしまってたかどうかは桜さんしか知りませんし…。もし、桜さんが犯人の一味なら、閉まっていようがいまいが関係ありませんからね。」
「ちょ…なにさっきから私を犯人にしようとしてるのよ!あなたが1番怪しい事には変わりないんだから!」
「まあまあ桜さん落ち着いて。」
私は桜さんを宥めた。
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