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確かに彼女の言ってることは理路整然として言われて見ればそのとおり…。
ということはまさか本当に犯人がわかっているのか?
そしてその方法も?
私は戦慄した。
「あ、あの。すみません。犯人は誰なんです?」
私は単刀直入に聞いた。
「その前に何個か質問して良いですか?」
「え?…えぇもちろん。」
犯人がわかるのであればお安い御用だ。
「いえ、刑事さんではなく…。」
「え?私ではなく?」
「元也さんに。」
名前を出された元也は肩を揺らした。
「え?おれ?」
「はい。」
「な、なんだい?」
なぜか、元也の返事はドギマギしている様に聞こえた。
「桜さんとはどういう御関係なんですか?」
元成は驚いた顔を数秒した。
「どんな……て、そりゃあ主人とメイドさんじゃないか。」
元成は至って落ち着いた口調を意識したであろう震え声でそう言った。
桜さんをみると、ちょっと心外だと言うような顔をしている。
「あの…なんでそんな事を聞くんだい?」
元也はまた平静を装ったとすぐにわかる震え声で聞いた。
「先程、貴重な水晶やら金塊を触らせていたと言ってましたので……入って間もないのに、そんな事をさせるのは元也おじ様の性格的に少し違和感を抱いたもので。」
「な、なんだそんな事か…僕だってそういう寛大な所もあるさ。はははは…。」
元成の恐ろしくわざとらしい笑い声を少女は無表情で聞いていた。
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