24人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
「なるほど。ではイチャイチャはしていなかったと言うことですね?」
少女が無表情で重ねて聞いた。
「な、なんだよ、イチャイチャって…な、なぁ桜?」
元也は堪らず桜に振った。
「もちろんです!たまになんとなく下心のある様な目で見られる事はありますけど、そんな関係じゃありません!」
「え?バカ!何言ってんだ桜!誰もそんな目で見てないだろ!」
「そうですか?」
「そうですかっておまえ。」
「まぁまぁ、2人とも落ち着いてください。」
私は2人を宥めながら考えた。
なぜ、少女はそんな事を聞くんだろう?
もしや、2人が共謀して?
そんな疑惑が脳裏に浮かんだがすぐに新たな疑問が出てくる。
だとしても鍵は5ヶ月前から元斎がもっている。
快気祝いで戻ってきた元斎から何らかの方法で鍵を奪えたとして、手品が始まる前には戻さなければいけない。
そして、監視カメラをどうやって欺いたのか?
いや、そもそも、元也にはそんな事をするメリットがどこにもないような…。
そこまで私が考えたところで少女が口を開いた。
「ま、そこはそんなに重要ではありません。」
ズコー!
重要じゃなかったー!
私は少しだけジト目で少女を見た。
少女は少しだけ頬を染めると私の視線に気が付かないフリをして話を進めた。
最初のコメントを投稿しよう!