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少女は今度は元斎の方を向いた。
「それでは最後に元斎おじ様にも質問があります。」
「…うむ。」
元斎は心做しか浮かない表情で応えた。
「今金庫以外で荒らされた部屋を見て何か無くなってるものはありますか?」
「無くなってるものか…いや、ないのぅ。」
「では、破かれたり倒されたりしているだけと言うことになりますね。」
「……うむ、そうじゃの。」
「もしかすると、破かれたり倒されたりしたものの中に共通点がありますか?」
「う…む…。」
元斎は押し黙った。
なぜか、少女はそれ以上追求せずに元斎を見つめていた。
しばらくして、元斎が重い口を開いた。
「…残念だが、そういうことらしい。きょうちゃん。ワシにも犯人がわかったよ。」
元斎はそういうと悲しそうに微笑んだ。
「どうしますか?」
「…いや、言ってくれて構わないよ。」
「…わかりました。」
少女は頷くと振り返って私を見た。
「お待たせしました。」
「え?いえいえ。」
私が少しばかりマヌケな返事をした後に少女は犯人を告げた。
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