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もう自分が何時からここに居たのかさえ解らない
幾つもの四季を迎えては見送り、そして様々な生き物達をも見送ってきた
時折、話しかけてくる物好きがいたが大抵は独り言が多かった
我が聞いている事など想像すらした事がないであろうから
我は只ここに居る
ごく稀に何処か違う場所に行き、違った景色も見てみたいと思うこともあったが、叶わぬと知っていたので願う事すらなかった
我は桜
春を告げる時、枝の前まで力を送り精一杯の力で花を咲かせる
生き物達が満開の花を見に我の元へ足を運び、そして皆一様に満面の笑みを浮かべる
一年の内のほんの数日の間だけ皆が我の事を思い出すようだ
我はそれだけでも良かったのだ
あの日までは
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