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大きな倉の裏手に回り込むと、とても立派な桜の樹が一本だけ立っていた
春にはとても素晴らしい花をつけるのだろうなと思いながら、桜の樹の近くまで進んだ
根元に近い所まで進んで上を見上げると幹から伸びる枝振りに、何故か息をのんでしまった
大きさになのか、その存在感になのか自分でも判らないままに思わず声をかけた
「こんにちは、今日からここに住みます。
宜しくお願いします。」
思わず頭を下げていた
母屋に戻ろうと3歩離れた時に見られている気がして振り返った
「そうだよね、誰も居るはずないよね」
そんな独り言を言いながらもう一度桜の樹まで戻り
「自己紹介していませんでしたね
莉緒(りお)です
時々ここに来ます
宜しくお願いします 」
今度は桜を見上げて挨拶をした
葉もない枝が揺れて挨拶を返してくれた気がした
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