1章……見ないで

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気をなって、昼休み中に岳人の部署に行こうとエレベーターで昇る 岳人の部署は営業部、そこの課長を勤める彼は滅多に外出はしないはずだ。 フロアに入ると、何人かがこちらを見て手を振ったり頭を下げるので笑顔で応えた。きちんと笑えているかは微妙だけど。 「お疲れ様です茅乃さん…」 寄ってきたのはかつて指導担当した3つ下の後輩の美咲ちゃん。可愛がっていた一人だ。 「お疲れ様美咲ちゃん、條島課長いるかしら?」 「今、戻ると思います…さっき会議が終わりましたから」 「有り難う」 美咲ちゃんの言うとおり少し周りに挨拶をしているとデスクに岳人が戻ってきた 「あれ條島主任、どうしたの」 「少しお話したいことがあって来ました」 「分かった。菅井!オレ、昼入るからあとよろしく」 岳人は爽やかに美咲ちゃんに笑った 「はい、いってらっしゃい岳人さん、茅乃さん」 美咲ちゃんはチラッと私をみてから頭を下げた 「行こうか」 「はい…」 廊下を抜けてエレベーターホールに来たその時、ザワッと嫌な感覚が来た。背中に悪寒が走ったのだ。 女の悪意に満ちた視線に敏感なのはモテる旦那を持つが故か、結婚する前からこんな風によく睨まれた…何事かとそっと見回すと (あぁ『ミサ』は、アナタだったの……?) 美咲ちゃんがとても冷たい目でこちらを睨んでいた 可愛がっていた後輩にまで裏切られたのかと…更に重い気持ちで岳人の後ろをついていった 。
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