962人が本棚に入れています
本棚に追加
高塔くんが離れると岳人が私の額に手を当てた。
「熱がある訳じゃないよな?なんか顔赤いぞ?」
「だ、大丈夫よ…」
「にしてもずいぶん可愛い顔のヤツだな?わざわざオレにまで挨拶来るなんて律儀だし……茅乃の事慕ってんだなぁ」
岳人は離れた席に同期らしき男の子達といる高塔くんをチラリと見た。
「そんなことないわ普通よ?貴方はやり手課長だもの。それに私は怖いからじゃない?」
「あー茅乃は仕事のオニだもんな…はは」
岳人は私をじっと見た
「こんなに綺麗で…ホントは優しいのにな?」
「な、何言い出すのよ」
岳人はフフと唇から吐息のように笑い声を漏らした
「それを知ってるのはオレだけでいいけどさ…今日は帰る前に連絡するから…」
伝票を手に立ち上がりながら岳人はそう言った
「分かった…たぶん先に家に帰るから…」
「あぁ…」
二人で定食屋を出てオフィスに戻る
「たまにはいいな?二人で食べるのも」
岳人は妙にご機嫌だったが、私はどうしても気持ちが晴れなかった
最初のコメントを投稿しよう!