4章……甘やかな枷

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…… 手に入らないなら 壊してしまえばいい 「高塔くんはやっぱり私には振り向いてくれなかった……岳人さん…貴方は私を救ってくれるんでしょう?」 涙目で訴えるミキに優しく問いかける 「ミキ…欲しいのはオレだったか?」 「…違う…高塔くんが欲しい…」 呟くミキに微笑むと耳打ちする… 「欲しければ…高塔を…壊してしまえばいい」 そして……彼女のポケットにナイフを忍ばせた あとは どうなるか…オレは知らない 「私が傍にいます」 美咲がそうやってオレを家に住まわせた 元の家は茅乃との思い出があり過ぎて…帰れなかった…きっともう彼女の荷物はないだろうが…戻れなかった 「岳人さん…抱いて?」 美咲が首に手を回せば…機械的に手は動く 愛情なんてなくても この人形を抱く事は簡単だ 茅乃を失い、仕事を失い…… あとは死んだように生きるだけのオレは 人形だと思っていた美咲に生かされるのだ (茅乃……) 愛を捨てれば楽になれるのだろうか いつか、美咲を愛せるのだろうか 「ん…っあ……っ」 目の前で嬌声をあげる美咲の声ではなくて 『岳人…』 頭に響き、聞こえるのは茅乃の声ばかりだと言うのに……
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